ピラミッドは巨大公共事業?!

 ▼…世界の七不思議のひとつ・ピラミッドは実は、超大型公共事業だったという。作業に従事したのは奴隷ではなく、雨期にナイルが氾濫し農耕をできなくなった住民や公務員だったとする説だ。

 ▼…さて、日本もまた巨大な公共事業国家である。特に近年は、景気回復策として多額な資金(税金)が投入されている。とりわけ北海道は、その存続自体が公共投資に依存していると言っていい。しかし、今回の総選挙では財源や公共投資配分をめぐる都市と地方の対立が一層明白になった。今後、果たして北海道の要請がどれだけ中央で通用するのだろうか。

 ▼…雨期になると必ずやって来るナイルの氾濫は、古代エジプトの人々にとって決してやっかいものではなかった。水が引くと、そこは肥沃な土地に再活性化された。豊かな大地を資本に生産活動がくり返されるからこそ、ピラミッド建設という公共事業が無駄な投資ではなかった。

 ▼…クフ王にならえば、北海道にとってまず大事なのはナイルであり、ナイルの恵みを生かす知恵と汗こそが求められている。そうでなければ、ピラミッド建設は賽の河原の石積みと変わりがない。北海道が、212のまちが、存続の価値を問われている。

(21.Jul.2000 梶田博昭)