総「早稲田セミナー化」現象

 ▼…長崎大学が、大学生協との共催で、公務員志望の学生を対象にした受験講座を開講した。受講料は民間の受験対策セミナーのほぼ半額とあって、国家2種、地方上級試験を目指す学生には大好評なのだそうだ。外部から講師を招き、年間300時間の講義というからハンパではない。

  ▼…不況・就職難時代とあってこのところ公務員人気は急騰し、民間企業から声が掛からなくなった院生の参入で、受験競争が一層激しくなっている。独立行政法人化の流れの中で、生き残り策を探る国立大学が「学生サービス」の強化に乗り出したのも、分からなくはない。

  ▼…人気がすべて「安定志向」の裏返しとも思えないが、知り合いの就職担当の私大教授は「年々その傾向が強まっている」という。地方上級試験○○人合格を学生集めのキャッチコピーにする私大には、国公立大の動きは後追いであると同時に脅威としても映っているらしい。

  ▼…米国カリフォルニア大バークレー校の都市計画講座では、住民とのコミュニケーション能力を高めたり、自治体をフィールドにしたケーススタディが盛んに行われている。卒業後は公共、民間へと分かれるが、まちづくりの「協働」の場でこれらの経験と学問が生かされる。日本の大学の「早稲田セミナー化」を見るにつけ、地方自治の将来が不安になるが、杞憂だろうか。

(16.Jul,2001 梶田博昭)