人事評価の決定打

 ▼…宮城県は、成果主義に基づく新しい人事評価システムを試験導入することになった。それぞれの職員が年間目標を立て、自己評価を踏まえた中間評価は4段階。結果は年2回のボーナスにはね返る。同じ職級では支給額に最大20%、約7万円の格差が生じることになるという。おちおちしてはいられない。

 ▼…以前、新聞社の人事評価システムの改善を提案した経験があるが、経営幹部には不評だった。理由はこうだ。管理職にとってもマイナス評価はいやなもの。ダメ社員がいれば、毎年◎の評価を付けてやる。そのうち、ほかの部署が引き取ってくれるからと。管理職にも偏りがあるしね。

 ▼…リストラ時代に突入してからは、Rank and Yank 〜色分けしてダメな奴は干す〜が常識となった。人材マネジメントが徹底した米国の企業では、Up or Out〜昇給・昇進かさもなくばクビ〜を基本にした人事評価システムが主流に。その一方で、不当解雇や差別人事をめぐる裁判が相次いでいるらしいが。

 ▼…YankやOutといった荒療治がきかない公務員の場合は、評価システムの有効性に限界もありそうだが、工夫の余地は大いにある。減点ではなく加点主義を採る宮城方式もその一つ。それと、業務全体の目標と成果を役所内だけでなく、住民にも見える形にすることが必要だ。

(21.Apr,2003 梶田博昭)