「デジャヴュな街 喜多方」

超時空浪漫紀行〜セピア色の青春ドラマに光を当てたら、

日本の原風景・心のふるさとが見えてきた

 ●喜多方の「素の魅力」に光を当てる

 本書は、「超時空浪漫紀行」シリーズの第一弾。日本各地のまち・人・風物の「素(す)」の魅力を浮き彫りにするとともに、新しい未来につながる「地(じ)」の可能性に光を当てたい?というコンセプトに基づいています。

 「蔵とラーメンのまち」として知られる福島県・喜多方に足を踏み入れた「風の旅人」が、驚きや感動を率直に綴る紀行のスタイルを取っています。旅人の視点は、ラーメンや蔵といった目に見える「花」よりも、人・技(わざ)・情(こころ)といった喜多方の「根」に向けられ、ストーリー性豊かに展開されていきます。

 ●青春映画「けんかえれじい」の舞台探訪

 伝承の糸を紡ぎながら、喜多方の人々の心の源流を探る「古道探訪記」、「青春ドラマ追想紀行」そして小さなラーメン店を舞台にした「夫婦小法師の物語」の三部構成。

 「青春ドラマ追想紀行」では、喜多方を舞台にした鈴木清順監督、高橋英樹主演の日活映画「けんかえれじい」(1966年)を下敷きに、喜多方の風土と人情の本質に迫ります。特に、喜多方と会津若松を「頬被り」と「白鉢巻」との対立の構図で捕らえ、文化論にも踏み込んでいます。

 「やぶにらみ紀行」(あとがき)と見えて、喜多方に潜在する魅力の再発見・再認識のきっかけを提起。同時に、通過型観光にとどまっている喜多方のもう一つの「楽しみ方・歩き方・過ごし方」のヒントが散りばめられているのも特徴です。

 ●タイトルについて

 「デジャヴュ」は、フランス語で「Deja-Vu」、日本語では「既視感(きしかん)」と訳され、現実には体験したり見たことがない出来事や光景なのに、自分の実体験や実際の記憶として感じること。「風の旅人」にとって喜多方は、いつか、どこかで出会った街であり、そこに日本の懐かしいふるさとの原風景を見つけ、日本人の温かい心の源流を感じ取ったことに由来します。

書評・新刊書紹介記事(抜粋)

■ISBN4-925237-05-5  
■縦横各20cm カラー72ページ
■定価 定価1,260円(本体価格1,200円+税) 

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