市民活動と住民参加〜住民組織アンケート調査から(上) 

2002/05/20
(オンラインプレス「NEXT212」80号掲載)

 

 「見直し迫られる委員会・審議会」

 財団法人・北海道市町村振興協会の「住民参画型まちづくり推進方策に関する調査研究会」(座長・佐藤克廣北海学園大学教授)が、北海道内の住民組織・団体を対象に実施した「住民参加に関するアンケート」の調査結果の一部を紹介します。

  研究会は、行政の役割を念頭に置きながら住民が主体的にまちづくりに参加するためのしくみづくりを考えようと、北海道内の自治体の若手・中堅職員らに学識経験者らが加わって、研究を進めています。アンケートは、住民参画型のまちづくりの主体となり得る住民組織・団体の住民参加制度に対する評価などを探ることを目的に2002年2月に実施しました。

 ■25%が「委員会は儀式的」

 市町村が設置する各種の計画策定委員会などの委員に「参加経験がある」とした組織・団体は54.4%で、行政が政策・施策の策定段階で組織・団体を住民参加の対象として活用しようとしていることをうかがわせます。

  しかし、委員会に参加しての感想では、25.0%が「行政側が原案を作成しており、議論の余地はなく、形式的・儀礼的なものと感じた」と回答しました。また、55.1%が「委員会での議論は有意義だったが、一層の改善の余地があると感じた」と答え、「計画づくりのプロセスに参加したという実感が持てた」とする参加者は、わずか14.7%でした。

 ■「行政との協働」に高い期待感

  これらの結果から、委員会などが必ずしも住民参加の場として十分機能していないこともうかがえます。特に、住民参加型のまちづくりを進める上では、政策立案過程での参加機会の確保が大きな課題でもあり、委員会・審議会などの既存の制度の見直しが求められそうです。

  行政との協働については、48.0%が「協働によって、より効果的・効率的な活動が可能になる」と考え、「ある程度可能になる」(42.8%)を加えると、90%以上が行政との協働を重視していることが分かります。また、今後、計画づくりや具体的な事業を行政から委託された場合、その受け皿としての役割を「機会があれば担いたい」とする回答が50.4%を占めました(「既に担っている」が27.2%)。

 

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