続々・市町村合併を考える2-4

注目自治体のその後(4)香川県・三豊郡の場合

2002/03/04

 

  生き残りかけ「合従連衡」を模索

 香川県は、全国的に見ても市町村合併の「先進地」の一つ。東部の大川、志度など5町による「さぬき市」が2002年4月に誕生、2003年には白鳥など3町による「東かがわ市」がこれに続くことになっています。

 ■タイムリミット横目に悩み深く

  県の合併案では、具体的な自治体間の協議動向を踏まえたBパターンと、さらに広域に連携したAパターンを想定していますが、これら2新市の合併はBパターンに沿っています。県西部については、観音寺市と三豊郡9町による大連合のAパターンと、三豊北部5町を分離するBパターンが提示されています。

 東部の2合併協議会が動き出した2000年11月には、Aパターンの「三観大合併」を求める住民発議が行われましたが、高瀬、詫間、財田の3町議会が否決し、構想は白紙に戻されました。財田町では、合併による観音寺市への1極集中で、辺縁部が置いてきぼりをくうのでは?という危機感が、全会一致の否決の形に象徴されました。

 また、財田町の判断の背景には、合併やこれからのまちづくりに関する住民の論議や検討が十分だったのか、という反省もありました。このため、合併協設置案の否決後も、合併論議は続けられています。町側も広報誌などを通じて幅広い情報を提供しながら「住民と一緒に考える」ことに腐心しています。そこでは、合併特例が受けられる2005年の期限は意識せざるを得ないところから来るあせりや、近隣町村との距離をどう取るべきなのか、といった悩みもうかがえます。

 ■部分合併で「線引き・組み合わせ」

  近隣市町のあせりや悩みも同様であり、大合併構想が消えてからは部分合併を模索する動きが目に付いています。県案Bパターンの財田川を挟んだ南北2分の考え方を軸にしつつ、観音寺市中心の1市2町構想など小規模合併案も論じられています。しかし、県東部が比較的マチの規模に格差がないのに比べて、西部は自治体間のバラツキが大きいことが、「線引き・組み合わせ」を難しくさせている面もあります。

 さらに、部分合併となると、圏域の中央に位置し、交通の要ともなっている豊中町がどちらを向くかも周辺市町にとっては大きな関心事。香川県全体の中で西部に重心を引き寄せる意味では「三観大合併」の待望論も根強く残り、10市町は舵取りの方向を模索しているのが実情です。

 

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