再生のシナリオありますか?
 
 ▼…前回のコラムで上杉鷹山の藩政改革を「リストラ行政」と書いたところ、米沢藩(ファン?)の方々からお叱りを頂戴した。ご指摘の通り、鷹山の改革はその質素倹約ぶりが徹底された一方で、農政、教育などの行政改革にも力が注がれた。一面的な表現をお詫びすると同時に、改めて彼の政策の根底にあるものを検証してみた。
 
 ▼…一つは、殖産興業を進めるに当たって、地域資源を見直し最大限に活用しようとした点だ。樹芸役場を新設し漆、コウゾ、桑を100万本づつ植栽する計画が代表格で、漆は一般的な漆器向けの樹液ではなく、蝋燭の原料用の実の採取が目的だった。江戸を中心とした商品経済化のトレンドを読みつつ、高付加価値化と差別化を狙った戦略といえる。
 
 ▼…もう一点は、切り詰めの一方で産業振興の基盤となる社会資本整備にも力を注いだことだ。多くの藩は新田開発の尻を叩くばかりだったが、鷹山は農業土木の技術者を養成しながら大規模な農業用水の整備にも取り組んだ。そして、藩校「興譲館」の開設。そこには地域自立のための明確なシナリオがあったことが特筆される。
 
 ▼…改革という名の暴政は、ときに家臣の反発を買い、「主君押し込め」という江戸時代版リコールに発展するケースもあった。米沢藩では、意欲ある若手家臣が積極的に登用され、優れた家臣団がリーダーを盛り立てた。さて、現代の藩政改革に目を転じるとどうだろう。えっ。赤字再建団体はいやだけど、そのうちできるだろう自治体再生法に期待するって・・・・・・。
(梶)
 
 
2006年8月25日金曜日