三セクも清算の時代へ 

 ▼…老舗百貨店・そごうグループの倒産劇は、有効な解決策を打ち出せないまま問題を先送りしてきたツケが一気に噴き出したと言って良い。同時に存続意義を失った企業は市場から退出するしかない、という経済原理の冷徹さを見せつけた。

 ▼…目を転じて、地方自治体が出資している第三セクターはどうか。民間の信用調査機関によると、全国561社が抱える借入金合計額は約5兆2500億円に上り、売上高合計の3.6倍にもなるという。債務超過など経営不振企業は329社あり、売上高に対する借入金比率は8倍を超えている。

 ▼…自治省は昨年5月、自治体に対して「問題を先送りせず、破産などの法的措置も検討すべき」との異例の指針を示した。現に、この1年間で苫小牧東部開発、美々ワールドなど道内関係を含め三セクの倒産が相次いでいる。

 ▼…そごう問題では企業や銀行の自覚の欠如・モラルハザードが際立った。三セクにはそんな問題が内在していないか。実質的な出資者でもある住民に情報は公開されているか。自治体は財政援助という名で過剰融資をしていないか。先送りのツケはやはり住民に回ってくる。せめて自治体と三セクの連結決算を開示できないものだろうか。

(28.Jul.2000 梶田博昭)