お代は1センチにつき3億円也 ▼…札幌で一冬に降る雪は、約4.7メートルにもなる。市の雪対策予算は約157億円に上り、2万人規模の町の年間予算に匹敵する。市民にとっても毎朝の除雪は頭も腰も痛い作業だが、慢性的な財源不足に悩む札幌市が、除雪費捻出のための法定外目的税の導入を検討しているという。 ▼…東京都の大銀行に的を絞った外形標準課税にはじまって、横浜市の「馬券発売税」、河口湖畔3町の「遊漁税」と、このところ新税をめぐる話題が目に付く。そんな徴収サイドの動きの一方で、首相のゴルフ場会員権に端を発した贈与税問題から、税を取られる側の目も厳しくなってきている。 ▼…構造改革論議の中で「サッチャー改革」が再び注目を浴びつつあるが、税に関してサッチャー政権は、「Value for Money」を徹底した。つまり、行政サービスの目的は、「税金の払い甲斐」を高めることだと考えた。そのために、行政サービスを民間との競争入札にかけることさえ行われた。 ▼…「競う」ということは、質と量を秤(はかり)にかけることにほかならない。針が軽重を示し、しかも改革の理念と方向が明確だからこそ、国民は痛みを伴う政策も受け入れた。もちろん「鉄の女」の鉄の意思とリーダーシップも大きかったが。さて、「降雪新税」。まず、現に税金を注いでいる雪対策の質と量を秤にかけて「払い甲斐」をはじき出してみる必要はないだろうか。 (23.Feb,2001 梶田博昭) |
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