ホントは「食えない」話?!

  ▼…英国・エジンバラで聞いた小咄。「ネッシーなんてやっぱりホラ話さ」。ネス湖を泳いで渡りきるとイングランド人は胸を張った。これに対してスコットランド人は「ネッシーも、よほどイングランド野郎は食えないと見たか」と言い返した。かくも両者は仲が悪い(と言われている)。

  ▼…スコットランドにとってイングランドからの独立をも意味する議会設置の可否をめぐる住民投票が行われたのが、ブレア政権下の97年。税源移譲案と並び「イエス・イエス運動」が展開され、74.3%の賛成で約3世紀ぶりの議会設置が決まった。ブレア率いる労働党は、7日の総選挙でも勝利し、「小さな政府」を目指す改革路線は追認された。

  ▼…「独立」をめぐっては、79年に国民投票が行われ、ボーダーとされた有権者の40%に届かず実現しなかった。この時は、国会論議に収拾がつかなくなり、住民の判断に下駄を預けた感が強かった。北海油田のほかスコッチと観光程度しかないスコットランドの、中央依存指向も少なからず影響した。

 ▼…さて、日本。地方分権の声は高まっているが、明確な方針とリーダーシップは発揮されるのか?国会、地方議会の論議は尽くされるのか?住民は的確な判断を下す理解と冷静さを保っているか?そして、北海道。地域の運命を自ら決める覚悟と知恵を持っているのか?それとも分権なんてホントは「食えない話」?  

(25.Jun,2001 梶田博昭)