「信長と手塚治虫と北川知事」

 ▼…NHKが正月スペシャル番組で「日本の歴史を動かした人物15人」の視聴者投票ランキングを放映していた。15位に手塚治虫が入っていたのには、思わずうならされたが、トップ3は織田信長、坂本龍馬、徳川家康。変革の時代を駆け抜けた風雲児が1、2位を占めたのは、今のこの時代だからこそか、と考え込まされた。

  ▼…最近の調査でこんなトップ3もあった。(1)北川正恭三重県知事(2)増田寛也岩手県知事、浅野史郎宮城県知事。全国の知事が選んだ「ライバルながら共感する知事」で、北川知事はダントツの8票。ちなみに現代の風雲児・石原慎太郎東京都知事は1票にとどまった。

 ▼…上位3知事もまた、「地方」という舞台における「変革の旗手」と言っていいだろう。とりわけ北川知事による成果重視・住民本位の改革は、民衆に自由取引を保証し、堺や博多などの自治都市を生み出した、信長の楽市・楽座政策とも重なり合うものがある。

 ▼…同じ調査で3知事は、分権の流れの中で都道府県の権限役割を「縮小すべき」と答え、「県間合併・道州制移行」にも言及している。堀達也北海道知事らの「権限強化派」と両論2分しているが、元気な市町村の群雄割拠が進めば、「中二階」と呼ばれる都道府県の存在自体が問われかねない時代にあることも確かだ。

 (15.Jan,2002 梶田博昭)