求ム「一能」に秀でた人材 ▼…大分県別府市が、ちょっと変わった職員の募集を行っている。「技能一般職」という区分は普通なのだが、受験資格が、高校卒業(見込)以上の学歴及び現業関係職員(清掃業務員・給食調理員その他土木・公園などの現業職員)としての能力(体力面など)を有し「一能に秀でた人」。 ▼…「一能に秀でた人」とは、「各種全国大会の入賞や、一般の人を上回る活動実績、相応の能力を持つ人」と募集要項には例示されている。10年ほど前に、けん玉の技を披露し大学に合格した「一芸入試」が話題になったが、「一芸」よりもさらに広い分野に人材を求めるという意味で「一能」としたそうだ。 ▼…職員数が百人前後の小規模町村では、「一能」だけでの採用は難しいだろう。しかし、人材が最大の資源である自治体は、職員採用にももっとメッセージを込めていいのではないか。時代は、行政にも新しい発想を求めている。まちにとってどんな人材が必要なのか、募集要項からはなかなか伝わって来ない。 ▼…10万分の1グラムという超小型歯車の開発で世界的な注目を集めた愛知県豊橋市の中小企業は、「無差別先着順採用」という社員募集でも世間を驚かせた。型破りの発想は「企業は人の幸せの器である」という理念に基づいている。理念に共鳴した人、理念で結び付いた組織は強い。 (26.Aug,2002 梶田博昭)
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