亜麻色の髪の乙女が待つ丘

 ▼…島根との県境にある広島県大朝(おおあさ)町は、広大なハーブ園で知られる。白い花が咲き群れるカモミール畑は、北海道富良野のラベンダー畑にも負けないスケールを誇る。ここのレストランのお勧めは、「大麻御膳」。大麻ミルクを使った手打ちうどんは、独特の風味で、なかなかにいける。

 ▼…ミイラの包帯としても知られる大麻(たいま)は、人類の文明を支えてきた天然素材だ。日本でも古くから栽培され、衣食住に幅広く利用されてきた。各地にある「大麻神社」も、そんな歴史に由来する。大朝町もまた、その名の通り、かつては大麻の一大産地だったという。

 ▼…資源循環型の町づくりに取り組む町では、なんとか大麻畑を甦らせ、産業振興にもつなげようと考えている。ところが、マリファナの原料ともなる大麻は、ご禁制の麻薬。町の要請に対して、国も県も栽培許可を認めない方針という。仕方なく大麻メニューの原料は、特殊処理をした輸入品に頼っている。

 ▼…海外で大麻は、環境素材として注目され、非木材紙やバイオ燃料などに活用する動きが広がっている。産業戦略に組み入れる国さえあることを考えれば、法と上級官庁が地域の可能性の芽を摘んでいることにならないか。「構造改革特区」の発想と矛盾してはいないだろうか。

(2.Sep,2002 梶田博昭)