ノーベル賞必勝法

 ▼…米国・ミネソタ州の7歳の坊やがブランコを横に揺らす技術を考案し、特許を取った、とロイター電が伝えた。4月のことだが、エイプリルフールは過ぎていたので、「ガセネタ」ではないらしい。なんでも、左右の鎖を交互に引っ張れば、横方向に揺れるのだそうだ。同じように遊ぶには、子供でも使用料が必要になる。

 ▼…企業に莫大な儲けをもたらし、裁判にもなった青色LEDの開発者に対する報奨金が2万円。ノーベル賞受賞の田中耕一さんも1万1千円だったとか。ミネソタの坊やがいくらご褒美をもらったかは知らないが、確かに日本では、発明者の存在が少し軽んじられているような気がする。

 ▼…国立大学では、特許よりも論文重視の傾向がまだ強く、知り合いの教授は、実績報告書に特許の記載欄さえないという。私大の中には、特許事務の専門部署を持つ例もがあるが、これは少数派。2000年度の大学内TLO(技術移転機関)の特許使用権収入は、日本3億円対米国1400億円というから、差は歴然としている。

 ▼…ノーベル賞は、純粋な発明・発見から実用重視にシフトしており、今後は日本人の受賞ラッシュも期待できそうだが、最近の子どもたちの科学に対する関心の低さが、気になる。ブランコ〜発明〜一攫千金、という動機付けも、必要かも知れない。ちょっとさびしいが。

(15.Oct,2002 梶田博昭)