合併TOTO ▼…6町村の合併で4月に誕生した南アルプス市。初の臨時市議会には、町村議員から在任特例の95人の市議が勢揃いした。正副議長の選出では、急きょ議員協議会を開き、立候補者が抱負を述べる一幕も。派閥ならぬ旧町村閥による主導権争いの気配もうかがわせ、「寄り合い」の躓きがちょっと気懸かりだ。 ▼…合併は、後戻りできない「ファイナルアンサー」だけに、法定協議会の議論が重要だし、その前段となる任意協や自治体ごとの議論の積み重ねが問われる。何よりも、住民が地域の現在をしっかりと捉え、未来像を共有していることが必要だろう。従って、広報広聴の役割が大きい。 ▼…合併問題や広報担当の自治体職員から最近よく聞く悩み。「できるだけ住民に十分な情報を提供したいが、トップや議会が消極姿勢」「住民から『で、結論はどっちがいいんだ』と迫られる」。前者は首長や議員らの勉強不足、後者はまちづくりのリーダーとしての理念や持論を欠いた結果ではないか。 ▼…そんな自治体では「住民の意向を最優先する」としてアンケート調査に頼る傾向を見せるが、往々にして低回収率という壁に突き当たる。合併協設置の是非を問う住民投票も含めて、足元や将来に向けた判断材料や青写真なしでは、当てずっぽのトトカルチョと変わりない。 (19.May,2003 梶田博昭) |
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