知りたいこと・知らせたいこと ▼…愛読メルマガ「北からデジカメ便り」の発行者が、台風10号の被災者となった。臨時号には、人命も飲み込んだ濁流の爪痕の写真が添えられている。発電機を頼りに発信したメールは「なんとか生きてます」で始まる。犠牲者や避難所の様子、携帯さえつながらない現地の状況が、生々しく綴られている。 ▼…Miyukiさんが配信するデジカメ作品には、いつも心地よい風のにおいや光のぬくもりがあった。地方記者として駆け回った日高の自然に再会することもあった。20年経っても変わらない景観に何かしら安らぎを感じていただけに、故郷を踏みにじられた思いで、写真に見入った。 ▼…Miyukiさんらによると、自治会など地域の共助機能はさび付いていなかったことがうかがえる。一方で、災害情報が手薄な中小河川対策など課題も浮き彫りに。ある避難所では、被災者とマスコミ陣との間に摩擦が生じ、結果的に現地の情報が外部に十分伝わらなかったという。 ▼…摩擦の背景には、情報ニーズのギャップがある。被災地の5W1Hを外部に伝えたいマスコミ。避難所の外はどうなってるのか、知人の安否など身近な情報を渇望する被災者。「聞きたいのはこっちだ」。そんな悲鳴に誰がどう答えるか。地域社会と災害情報の在り方について、幅広い知恵の結集が求められている。 (18.Aug,2003 梶田博昭) |
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