街を変える「クーポン打!」

 ▼…神奈川県の相模原市主催のビジネスプランコンテストが、開校から1年目の青山学院大キャンパスで開かれた。予選を勝ち抜いた学生起業家ら6組が、独自のアイデアを披露し、その斬新さに会場は沸いた。奨励賞に輝いた慶応大チームの「クーポン打!」は、創業支援を受けてこの4月から事業化に向けて踏み出した。

 ▼…携帯電話を使った割引クーポン付き広告媒体で、加盟店の広告文を入力する早さに応じて割引率が変わる。早打ちゲームと組み合わせたのがミソ。まだ試験段階だが、相模原一帯は学生の街として広がりを見せているだけに、地元商店街の活性化にもつながることが期待されている。

 ▼…市内に10大学を抱える相模原市は、大学との地域連携に力を注ぎ、今春から学生を小中学校に派遣する「学生ボランティア制度」を導入した。学生からの政策提言も募集するなど、若い力と柔軟な発想をまちづくりに生かそうという考え。大学側も、地域を教育の生きたフィールドとして活用しようと意欲的だ。

 ▼…一方、地方の大学では、少子化の影響や地元に雇用の場がないことなどから撤退の動きも見られる。誘致した自治体も、補助金負担が辛い。しかし、見せかけの人口増と税収増、おこぼれ効果に寄り掛かるのではなく、今こそ地域と大学が互いに生かし合う智恵が求められている。

(10.May,2004 梶田博昭)