「天丼100円引き」に1票

 ▼…年金・イラク問題などで揺れた参院選。国民の関心が高まったとはいえ、投票率は56%余の低水準にとどまった。そういえば、早大周辺の商店街が、学生らの投票率と売上げアップを狙って選挙セールを打った。「投票を済ませれば天丼100円引き」がうたい文句だが、成果は果たしてどうだったのだろうか。

 ▼…NPOの呼び掛けに応じ書店、菓子店などがセールに参加した北海道砂川市では、投票率が69.7%に達した。前回比3.6ポイントアップ。道内34市の平均を10ポイント近く上回り、第2位に浮上したのだから、中山ゴンと白石美帆の啓発ポスターよりは効果があったのかも知れない。

 ▼…それにしても投票率30%台に低迷する20代の政治意識は、年金・イラク以上に日本の将来を不安にさせる。超高齢社会に進む一方で福祉・環境など後世代へのツケ回しが続く現状を考えると、世代間のバランス を取り、健全な社会を築く上でも若者の政治参加は重いテーマだ。

 ▼…砂川市の隣の奈井江町では合併をめぐる住民投票に、小学5年生以上の子供を加えた。投票率は87%。北良治町長は「大人以上に真剣に町の将来を考え1票を投じてくれた」と振り返る。選挙年齢18歳は世界の趨勢だが、身近な暮らしから政治に目を向けていくために、まず地方選挙から年齢を引き下げてはどうか。

(20.Jul,2004 梶田博昭)