円卓から始まる行政改革 ▼…香川県・善通寺市の執務室に来春、大型テーブルがお目見えすることになりそうだ。円卓には6人の部長の席が用意され、市長・助役も個室からこの大部屋に引っ越すことになる。壁を取り払うために約970万円の費用が必要だが、「意思決定機関室(仮称)」の名の通り、行政改革の推進策の一つと位置付けられている。 ▼…要は、市長に集中しがちな権限を分担し、情報を共有しながら、責任ある決定と素早い対応を目指すのが狙いだ。一方で、現場の実務については課長に責任を持たせるというから、企業にあてはめると機関室は、戦略とトップマネジメントを重視した常務会的な存在なのだろう。 ▼…変革の時代に対応した積極策として今後を注目したい。何より情報の量が増え、多角度の分析が可能だから、リスクを低めつつ革新的な意思決定ができる。情報の共有が理念・目標の共有と説得性につながるから、現場も行動しやすくなる。ただし、常務会型のトップマネジメント組織には落とし穴もある。 ▼…部長に部門代表的な色が濃過ぎると、保守的・防衛的になりがち。構成員の年齢層が片寄ると、清新な発想が出にくく、現場との断絶も生じ易い。有効な方策は、戦略上の問題を絶えず常務会に提起する企画室のような機能を整えることだ。スタッフには異能・異才を加えたい。 (29.Nov,2004 梶田博昭) |
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