電子投票制度

 米国大統領選挙では、開票作業が大きな注目を集めましたが、その方式はカウンティごとに多種多様です。候補者名のボタンを押すなどして投票用紙に穴を開けるパンチ式では、カードリーダーで読み取って集計します。OMRと呼ばれる方式では、有権者が塗りつぶしたマークシートを機械 により読取らせ、結果は磁気カードなどに記録します。ほかにレバー式などありますが、OMR 方式やタッチパネル方式が増加傾向にあるそうです。

 投開票作業の効率化・迅速化を図るため、いち早く電子システムを導入している国もあります。

 ■ベルギー 磁気カード使ったタッチペン式
 磁気カードを投票用端末に挿入し、画面表示に従ってタッチペンにより候補者名などを選択します。カードを読取機に挿入すると、機械ごとに投票結果がフロッピーディスクに記録されます。94年から。

 ■オランダ パネル上のボタンを押す投票機
 パネル上に候補者一覧が表示されており、選択してボタンを押す方式。全ての投票終了後、機器から投票結果を紙に出力し、投票結果を保存したフロッピーディスクとあわせて開票所に集め、電子的に集計します。93年から。

 ■ブラジル モニターに選んだ候補者の顔
 投票機のボタンで、選挙の種類ごとに、候補者、所属政党に対応する番号を選択し、入力。モニターに選択した候補者の写真、氏名、番号、所属政党名が表示されます。96年から。

 ■日本 自書式原則だが、PC投票も検討中
 日本は、公選法で自書式が原則ですが、地方選挙では条例により記号式を採用できます。
記号式投票は、首長選で5県527市町村(16.3%)が採用しています。投票用紙読取機は記号式が毎分500枚で、自書式(240枚)の倍のスピードがあります。

 現在、自治省の電子機器利用による選挙システム研究会が検討中ですが、将来は投票所での投票を義務付けず、個人の所有するコンピュータ端末を使って投票する方式も想定してるそうです。