RDF(こみ固形化燃料) 

 「Refuse=ごみ Derived=得られた Fuel=燃料」つまり「ごみを原料に作られた燃料」の意味。紙屑や木屑、廃プラスチックなどの一般ごみを砕いて混ぜ合わせ、熱を加えながら圧縮すると、プラスチック成分が紙や木屑の接着材のような役割を果たし、炭状の固体ができます。熱量は1キログラム当たり3千〜4千キロカロリーですから、石炭の約7割に相当します。ごみが大量に発生する都市で造られるため「タウンコール」とも呼ばれます。

 ごみ焼却炉から発生する有害物質ダイオキシンが問題化する中、高温で安定して燃焼させることでダイオキシンの発生を抑制できるRDFが注目されました。大量のごみが燃料となり、公害を抑制する上に、余熱が発電にも利用できるため「夢の技術」ともいわれます。現在、複数自治体が広域的に連携し、ごみを収集、処理、RDF化し、発電などに活用しようとする取り組みが進んでいます。国や府県も環境行政の推進策として、RDF化施設に対する補助制度を設けています。

 しかし、RDF施設は、多額の建設費が必要で、発電事業の採算性についてはやや未知数の部分があります。また、大規模なごみの最終処分場を受け入れる地域住民の反発や、焼却灰などの二次的な公害を指摘する声も一部にあります。

 【先進事例】
 ● 富山県福光町・南礪(なんと)リサイクルセンター 2町1村の可燃ごみを年間4400トン処理。
 ● 三重県 桑名市と周辺5町でつくる桑名広域清掃事業組合がRDF化プラントを設置する計画。
 ● 茨城県 県と鹿嶋市など3市町が出資し、第三セクター方式でRDF発電。
 ● 大牟田リサイクル発電 福岡県、熊本県合わせて28市町村が参加。
 ●石川北部アール・ディ・エフ広域処理組合 RDF専用焼却炉施設を一部事務組合が運営する。本体整備費約89億円。