用字用語・表記法と記者ハンドブック
自伝出版ナビゲータ/地域メディア研究所
 
原稿のスタイル、表現法は、基本的には書き手の自由です。心のままにペンを走らせ、あるいはキーボードにタッチする方が、筆者の個性が文章ににじみ出てくるとも言えるでしょう。一方、読み手のサイドに立つと、やはり読みやすく、分かりやすい文章であってこそ、スムーズに読み進むことができ、筆者の思いも伝わりやすいものです。
        
「みる・見る・観る・看る・診る」どっち?
映画をみる  大目にみる  考えてみる  私としてみれば  脈をみる
わたしとしてみれば  様子をみる  みるみるうちに  ○○とみられる

「味があって、読みやすく、胸に響く」とはなかなか行かないものですが、同じ言葉は漢字・平仮名・片仮名いずれかでそろえ、漢字の送り仮名や句読点も統一されている方が、文章全体を引き締めリズム感も損なわないでしょう。頻繁に使われる「何(なに)」「事(こと)」や数字・単位なども予め表記法を決めておけば、ペンを走らせるリズムも保つ効果があります。

使い方の間違っている慣用句は?
恨み骨髄に達す  笑顔がこぼれる  汚名を晴らす  極め付け
枯れ木に花のにぎわい  気の置ける友人 雲を散らすように

「記者ハンドブック」(共同通信社発行)は、新聞記事を書くための基準集ですが、出版社などが原稿を校正する際の用字用語・表記法の目安としても活用されています。専門用語や外国の地名・人名の表記法や、差別語・不快用語の取り扱い基準などの項目もあり、大変参考になります。