「資本の論理 メディアの倫理」(星野一風著) |
日本図書館協会選定図書(JAL00015209) |
本書は、98年9月に廃刊に追い込まれた北海タイムスの崩壊の軌跡を、52点の経営資料と裁判記録を基に詳細に再現した、いわば「クライシス・ドキュメント」です。資本と経営の対立を基本構図に、時にはミステリアスな展開さえ見せる人間模様を克明に描きながら、メディアの役割、企業の危機管理の在り方を改めて問いかける内容となっています。 ストーリーは、異業種から参入し経営権を握った新オーナーと、記者から叩き上げの社長との相剋を軸に展開されます。いっときの協調は徐々に険悪な関係へと変容し、労働組合も販売店組織もまた、もつれた糸を解きほぐすことができない。牽制、背反、暗闘の果て、一枚の和解調書に企業としての生き残りの可能性が託された─。迷走劇の一方でマスコミに報じられることのなかった、資本と経営の暗闘の時代をリアルに再現しながら、「タイムス破綻の実像」に迫って行きます。 本書に収録された経営資料、裁判記録は単に企業の終焉の記録にとどまらず、北海道とともに歩んだ郷土紙・タイムスの52年の歴史を総括する資料としての価値も小さくないと思われます。また、本書は、大きな曲がり角にあるメディアの在り方や、リストラ時代の企業の存続・危機管理の在り方を考える上でもメッセージ性を持った内容となっており、より幅広い層の関心にも応えられるものと存じます。 |
■ISBN4-925237-01-2 ■ご注文は電子メールをご利用下さい。 お問い合わせは、電子メールかお電話でどうぞ。 本書の内容は「北海道の元気増進インターネット dioce」(http://www.dioce.co.jp/)でも紹介、注文も受け付けております。 |