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市町村合併最前線 8.中核市実現で産学が支援・提言 盛岡市は92年に都南村を吸収合併した当時から、生活経済圏が重なる両町村との合併による中核都市形成を想定していました。その後の経済情勢の変化はありましたが、国の合併促進の動きを受けて盛岡商工会議所などは、景気回復の期待も込めながら経済界全体で合併推進を支援する姿勢を打ち出しました。 一方、県立岩手大学総合政策学部の広域行政研究会はことし3月、県の合併指針に先駆けて、広域生活圏ごとに17の組み合わせを盛り込んだ研究報告書をまとめました。この中で盛岡など3市町村については「より質の高い住民サービスを提供するためには、中核市以上の権限と能力を持った自治体の誕生が期待される」として合併推進の必要を強調しました。 昨年11月の最初の3首長会談では合併にやや慎重だった盛岡市長も、こうした動きを背景にして積極姿勢を強めていきました。その後の3者会談では、合併そのものの論議は県の指針後に具体的に行うこととしながらも、それぞれの自治体が考えているまちづくりの方向性や、道路整備、商業地再開発計画などに関しての意見交換を進めていきました。 盛岡市長が「生活、文化、経済圏として密接な関係にある矢巾町、滝沢村との合併を軸に中核市を実現し、順次拡大していきたい」と合併推進の考えを打ち出したのに対し、滝沢村長は合併の方向性を認めつつも「この3市町村の合併パターンにこだわりたくない」と難色を示しました。また、矢巾町長は「住民の意向把握をした上で判断したい」と慎重な姿勢を見せました。 3市町村合併による中核市構想の先行きはなお不透明です。しかし、合併によって何が変わるのか、どう変えていくのか、住民に対する判断材料を提供することで、はじめて地に足の着いた合併論議に入ることができると期待されます。 (市町村合併最前線 了=Oct,2000) |
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