来るか 地域主権時代〜藤沢町に見た住民自治の姿【6.町の財政】地域メディア研究所代表 梶田博昭 |
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2002/09/24 |
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■増える借金、経常費抑えやり繰り2000年度決算を見ますと、標準財政規模が約41億円で、財政力指数0.19(県内町村平均0.22)と、ほぼ北海道の町村(財政力指数平均0.20)と同じような条件にあります。 最も目に付くのが、総額で約77億円、住民1人当たりに換算すると約73万円に上る地方債残高と、債務負担行為の約71億円です。90年代に町民病院、シルバーセンターなどの医療福祉関連の施設整備や営農環境整備を集中的に進めたことが、「借金」の増大につながったと見られます。 ■オンボロ役場に名町長あり特に、債務負担行為は、翌年度以降に返済が必要になってくる実質的な借金ですから、今後のやり繰りは厳しいものが予想されます。借金返済の負担の程度を一般財源のレベルで示す公債費負担比率も、危険ライン(20%)を超える22.9%と高くなっています。 しかし、公債費のうち交付税で措置される経費などを除いて算出する起債制限比率は、一般に15%を超えると黄信号、20%で赤信号とされるのに対して、12.7%と低い水準にとどまっています。経常的な経費に充てた一般財源の割合を示す経常収支比率も80.1%とほぼ適正水準(70〜80%)にあり、経常的な支出をできるだけ抑えながら、借金の返済についても一定の計画性を持って台所を切り盛りしていることがうかがえます。 経常的な経費の抑制という点では、職員の給与や議員報酬などの人件費は24.4%(県内町村平均28.2%)と、他の自治体に比べて低い水準にあることが目に付きます。また、近代的に整備された医療・福祉施設に対して、役場は1959年建築の木造で、「おんぼろ庁舎に名町長あり」の仮説がここでも実証されました。 黄海地区の公民館では、1955年の合併で消えた「黄海村役場」の名前が付いたスチールロッカーが現役で使われており、「経費節減」と「物を大切にする心」が隅々にまで行き届いていることをうかがわせました。 (Sep,2002 了) ******************
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