市町村合併を考える5-2 |
2000/12/01 |
自治省追加指針のカンどころ校区単位で住民主体のまちづくり「わがまちづくり支援事業」の活用は、市町村合併後の地域対策として新たに加えられました。99年8月に自治省が示した合併推進の指針でも、新たなまちづくりや振興基金造成に対する合併特例債による財政措置を掲げていましたが、今回の追加措置は財政支援というよりも、むしろ地域対策に主眼が置かれています。 ■狙いは合併後の周辺部対策 これは、合併によってマチの中心部と周辺部の格差が生じるのではないかという、小規模な自治体の不安に対する措置といえます。このため、今回の指針には「わがまちづくり支援事業」の活用と合わせて、合併前の行政区域に沿って選挙区を残し「地元議員」の議席を一定程度確保しようという特例規定の適用や、支所・出張所、郵便局の活用なども盛り込まれました。 一定の財源を保障した上で、どんな事業を行うかはそれぞれの自治体の自主性に任せた「ふるさと創生事業」や「地域活力創出プラン」などと同様の考えによる財政支援措置ですが、事業を行う基本的な単位をこれまでのように町なら町、村なら村とするのではなく、もう少し小さな単位での地域づくりを支援しようとしている点に特徴があります。その例としては、「小学校区単位程度の地域の広がりの場において、住民による話し合いの場づくりや、その結果を受けた取り組み」を対象にする考えを示しています。 表:「わがまちづくり支援事業」の概要 ■コミュニティ活動活性化へ「小学校区単位」とは、北海道の場合は市部で5千〜6千人、郡部で2千〜3千人をエリアとした地域に相当します。日常的な生活圏が重なり合い、公共サービスに対する住民の利害が比較的一致しやすいコミュニティを形成していると考えられます。住民が話し合いのために集まる場や、情報を交換したり共有すること、グラウンドワークのような具体的な活動を行うことを考えたとき、確かに「小学校区単位」は都合が良い点が多いと思われます。 「わがまちづくり支援事業」では、こうした住民自身が展開するコミュニティ活動そのものや、住民の提案に基づいて行政が行う事業、パートナーシップによる事業などを支援することを視野に入れていると考えられます。住民が主体となって取り組む子育て支援、伝統文化の継承といった事業や、商店街の活性化対策など、住民自身の創意工夫が求められているともいえます。
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