市町村合併を考える5-1 |
2000/12/01 |
自治省追加指針のカンどころ「門前払い」けん制の住民投票案自治省がこのほど示した「市町村合併の推進に係る今後の取組」は、新たな合併推進策を掲げています。このうち合併や住民参加の本質に触れるテーマでもある「住民投票制度の導入」と「わがまちづくり支援事業」に絞って紹介します。 ■住民発議72%が不発住民投票制度は、「地域住民の意思を反映させる仕組み」づくりの一環として位置付けられています。これは、有権者の50分の1以上の署名によって合併協議会の設置を求めることができる、とした住民発議制度が、必ずしも合併につながらない状況を反映しています。 今年11月13日現在まで83件の住民発議があったにもかかわらず、その72%に当たる60件については協議会設置に至っていないという数字が物語っています。住民発議が成立した場合、合併協議会を設置するかどうかは、首長と議会の判断に委ねられます。また、設置そのものが合併の是非を判断するものではないのですが、現実には、協議会の設置が合併に直結するとの考えから、設置を否決したり先送りしたりするケースが見られます。 ■消極派の首長、議会が壁合併に消極的な考えに立つと、有権者の2%という住民意思は「必ずしも大多数ではない」と映り、逆の立場からすると「住民の気運が盛り上がっているのに、首長や議会が行動を起こさない」という苛立ちにつながっています。 合併推進のためには、住民投票制度を活用すべきという意見は、これまで地方制度審議会からも示されており、自治省は住民発議制度の補強策として住民投票制度の導入に踏み込んだといえるでしょう。ただし、現段階では、制度化を合併推進目的に限定したり、首長や議会の権限との関係に配慮するといった条件の下で「導入に向けた準備を進める」という姿勢にとどまっています。 合併に消極的な首長や議会による「門前払い」に対する牽制効果を狙ったものともいえるでしょう。 合併を機に行われる新たなまちづくりや合併関係市町村間の公共料金などの格差是正、合併に伴う電算システムの統一などの「合併移行経費」について、特別交付税措置など、新たな財政支援策を積み増ししています。もちろん、これらの「優遇措置」は、2005年3月までの合併を対象にしています。 特例措置が切れるまでの4年余りの間に一気に合併を推進するため、政府はさらに「甘い飴と厳しいムチ」をかざしているともいえます。 「市町村合併の推進に係る今後の取組」の概要1.新たな「市町村の合併の推進についての指針」の作成と都道府県における推進体制の整備
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