北海道における広域連合の実践例
(2)空知中部広域連合
介護保険で6市町連携に成果
■参加自治体
歌志内市、奈井江町、浦臼町、新十津川町、雨竜町、上砂川町。かつて産炭地として栄え、圏域の人口は10万人近くにも達したが、現在の総人口は約3万4千人で減少傾向が続いています。また、過疎化と同時に高齢化も進行しており、上砂川、歌志内、浦臼の3市町はいずれも、高齢者人口が30%を超えています。総面積は約970平方キロメートル。
■目的
住民参加によるまちづくりの推進を基本理念に、個性豊かな活力にあふれた地域づくりに近隣自治体が協力し合うことが目的。特に、高齢化に伴って地域需要が高まっている訪問看護やデイケアサービスなどの介護保険行政の分野での連携を目指しています。
■経過
浦臼町が「無医村」となったことをきっかけに、町立国保病院を持つ奈井江町との連携を模索。奈井江の北良治町長が呼びかけて、97年には5町の参加による中空知5町広域介護保険推進協議会が発足しました。介護保険制度の導入に合わせて、広域行政の体制強化が図られています。
■運営
介護認定審査会の設置運営、介護保険料の徴収、訪問看護ステーションの運営、医療連携システムの開発など業務は多岐にわたっています。専門的な医療従事者らの確保などの面で広域連合のプラス面を発揮し、サービス水準の平準化も進んでいます。また、それまで自治体によって格差の大きかった保険料も、是正に向かっています。
グラフ:参加市町の高齢者人口比率
■課題
介護保険制度自体がスタートしたばかりでいくつかの問題点も浮上してきていますが、広域連携はまずコストダウンの面で成果を上げていくはずです。そのための介護計画の効率化、ヘルパーや看護婦らのレベルアップも求められます。また、介護サービスの質的な向上のためには、積極的な情報提供が欠かせません。介護を行政がすべてまかなうのではなく、住民や企業など地域のさまざまなセクターを活用することも課題であり、その意味でも情報公開と住民参加が必要となってきます。
|