続・市町村合併を考える1-1住民意識調査の活用法(1) |
2001/07/25 |
判断材料の積極提供が大前提合併論議の推進パターンは、大きく「首長主導型」「住民決起型」「議員連携型」「広域行政発展型」に分類されます。住民決起型よりも首長主導型が主流になるに連れて、比較的早い段階でアンケート調査などにより住民の意向を汲み取ろうとする傾向が強まっています。 ■問題意識のレベルアップを住民意思を最大限に尊重するという意味で、こうしたアンケートや意識調査は有効な手段といえます。しかし、住民の意向を的確に反映させるためには、合併問題を考える上で必要な情報が、住民に対して十分提供されていることが重要です。 特例法のタイムリミットを意識する余り、単に是非を問いかけてるだけでは有効とはいえません。特に、複数市町村にまたがる問題であるだけに、関係住民の理解や認識のレベルを同一の水準に引き上げるための工夫が求められます。 市町村合併はいわば「お見合い」であり、お互いのプロフィールがきちんと明らかにされていなければならないということです。 ■関係自治体の情報を共有化グラフは、香川県小豆郡の土庄、池田、内海の3町(人口合計約3万6500人)による合併協議会が今年2月、有権者5千人を対象に行った「合併に関する住民意識調査」の結果です。設問は合併の是非だけでなく、現在の行政サービスに対する満足度や小豆島の将来像など多岐にわたっています。回答者の40%近くが具体的な意見を添えたことからも、合併に対する住民意識が比較的高いレベルにあることをうかがわせます。 この背景には、島という立地や合併の話題が早い時期から取り上げられていたこともありますが、2000年4月の住民発議に前後して、行政や青年会議所などの住民団体が積極的に合併を「考える材料」を提示したことが大きいようです。特に、同8月に3議会が協議会設置を決めてからは、住民懇談会や広報誌、協議会だよりなどを通じて3町に関する情報が提供されています。 |