続・市町村合併を考える7-2広域連合活用を模索〜南魚沼郡の場合(2) |
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2001/11/09 |
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ニーズ共通、民移管の可能性も検証合併論議の高まりの中で、広域連合は「しょせん寄り合い所帯」という評価がよく聞かれます。確かに、連合議会の議席は関係自治体の議会議員に案分され、意思決定の際にはそれぞれの利害調整的な手続きを経なければなりません。地域の総合マネジメントという点からは、マイナス面を背負っていそうです。 しかし、広域連合が新たに取り組もうとする分野を見ていくと、サービスの受け手にとってまちの境界はあまり意味がないことがわかります。サービスを提供する側から見ると、顧客が境界線を越えて共通に存在するということです。青少年や老人施設を例に取ると、極端に利用しづらいといった距離のデメリットを相殺してお釣りの来る専門性や機能性があれば、住民の満足度は高いことになります。 実は、こうした住民サービスというのは、総合性を求められる行政エリアの周辺部に位置し、むしろ民間がカバー可能な領域と重なり合っていることがあります。現に、介護関連の事業は民間に開放され、広域連合で大学を運営するといったことも行われています。 公共性の高い住民サービスを安定的に提供するという課題はありますが、市町村合併を検討する過程で、広域連合でより効率的にカバーできる分野はないか、あるとすれば一歩踏み込んでNPOや地元企業など民間に任せる方法はどうか、といった検証が行われるべきでしょう。 ■「不交付団体」もスリム化課題新潟県南部の高原を背にした南魚沼の4町は、3月に広域連合をスタートさせる一方で、市町村合併の道も模索しています。近隣に核的な都市を持たない町が、下の表のように合併により人口7万人規模の市を形成し、存在感・発言力が高まると期待されています。 しかし、4町合わせた面積は900平方キロメートルを超え、自治体としての一体感さえ危惧する声も聞かれます。また、温泉・スキーリゾートを抱えた湯沢町と他の3町との財政力・財政基盤のギャップも、合併論議に微妙に影を落としています。 表の財政力指数を見ても分かるとおり、湯沢町は全国的にも数少ない地方交付税の「不交付団体」で、特例措置は必ずしも合併を急がせる要因とはなっていません。むしろ、合併による住民サービスの均一で、湯沢町民がマイナスを被りかねない、といった懸念を指摘する意見もあります。また一方では、行政のスリム化は共通の課題として、合併を含めた住民論議を深めようとする動きも活発化しています。 1町単独か、合併か。それとも広域連合を一層強化するのか、「不交付団体」といえども避けて通れない局面を迎えています。
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