目標設定し環境保全を率先推進
埼玉県・所沢市

 庁舎内のゴミ月間で約1トン削減

 ISO14001とは非政府間機構の国際標準化機構(ISO)が認定する国際基準のうち、環境に関するものです。企業や自治体などの組織が、それぞれの活動の中で環境改善を継続的に実施するシステムを構築した場合に、公正な第三者の立場でISOが認定します。

 環境方針を定め、方針に基づいて目標を設定し、目標達成のための計画を作成し、そしてその達成度を評価することで、さらに改善を図る「PDCAサイクル」という仕組みで進められます。環境問題が国際的に重視されるようになったことから、製造業や建設業など国内でも幅広い業種で、認証取得の動きが高まっています。環境は住民の暮らしと直結する問題でもあることから、自治体による取得も近年目立っています。

 所沢市では、99年5月以降、市長の主導により環境汚染防止対策を目標を設定し、継続的に改善に取り組む環境マネジメントシステムの構築を進めています。2000年2月には、国際規格の認証を取得しました。

 基本理念として、(1)行政運営の全体を環境配慮型とし、全職員がスピードアップ・シェイプアップ・カインドアップの精神に基づいて、計画的で効率的な市政運営に努める(2)環境マネジメントシステムを継続的に運用・改善できるよう、組織の運営体制を整備し、環境保全活動に努める(3)環境関係法令を遵守し、有害化学物質の排出抑制など、環境汚染の予防に努める(4)廃棄物の減量化や再資源化に努め、省資源と省エネルギーに取り組む〜など7項目を掲げました。

 方針に基づいて、市役所が環境対策を率先して推進、公用車の低公害車への切り替え、ゴミ減量・リサイクル、雨水利用などに取り組むとともに、環境マネジメントシステムを導入する企業の支援などの具体策と目標を設定しました。

 全庁規模の「エコ・オフィス運動」では、99年10月にシステムの運用を開始してから3か月間で、紙の使用量はA4版サイズに換算して55,000枚分(220kg)を削減しました。これは、高さ8メートル、直径14センチの樹木4.9本分の森林伐採抑制効果に相当するそうです。庁舎内から排出されるごみの量は、1か月当たりで約1・減り、分別率は100%近くに達しました。