予防・治療・福祉一体化し健康づくり
新潟県・大和町

 人口1万5千人のうち65歳以上の町民が21%を占める超高齢の町。医療過疎が進む中、約20年前に「自分たちの健康は自分たちの手でつくろう。予防と治療と福祉の一体化」をスローガンに、住民が主体となって保健・福祉・医療を一体化した地域医療の整備に力を注いでいます。

 ■各施設が連携し介護に効果

 現在は、総合病院を核に特別養護老人ホーム、農村検診センター、ヘルパーステーション、訪問看護ステーション、特別養護老人ホームが一体となった大和医療福祉センターを形成しています。病院には,在宅介護支援センターが、特別養護老人ホームには通所介護センター(デイサービスセンター)が併設されており、各施設に連携する形で、リハビリセンターが設置されているのが特色です。

 ■「社会的入院」大幅に減少

 退院後の患者らの病状、家庭の状況などに合わせて、訪問看護やショートステイなどの在宅サービスメニューから1週間単位のケア計画を作成し、提供しています。訪問リハビリ、通所リハビリのほか、特養入所者などのリハビリ訓練も行われており、地域リハビリの拠点ともなっています。

 在宅ケアの体制整備と普及により、入院から退院までの平均在院日数は18・4日(96年度)と全国平均を約40%も下回り、「社会的入院」が減るなどの効果を上げています。自宅で最期を迎える割合も43%(95年)と全国に比べてかなり高くなっています。
 農村検診センタ−を中心にした健康増進活動も活発で、住民の健康管理については、基本検診、各種のがん検診を病院で行い、デ−タはオンラインでコンピュ−タに入力、分析を行うことにより、結果を健康教育に生かしています。

 ■活発な健康づくり活動

 町内には、農協健康管理推進協議会、子供の保健研究協議会、食生活改善推進員協議会、糖尿病 友の会、精神家族の会、合成洗剤問題研究会、安全な食べ物を求める会、ぼけ老人をかかえる家族の会などの地域組織が作られ、住民活動も活発に展開されています。