札幌市役所ホームページが、大幅にリニューアルしています。「リニューアルについて」でコンセプトを説明しており、これまでの組織別から、生活にあわせた分類「くらしインデックス」を新たに導入、 「市民が求める情報」を見つけやすくすることを前面に打ち出した構成になっています。
自治体ホームページの多くは、部署、組織別の情報構成となっていますが、これは「縦割り」の行政機構の情報を扱う上で、作業のやりやすさがあったことは否定できないでしょう。
ただ、情報を探す側にしてみれば、役所の機構を理解していないと、なかなか求める情報にたどり着けなかったのも事実で、こうした問題に対処するため、「生活便利帳」などのネーミングで、情報を再整理して提供する自治体ページも目につくようになってきています。
情報の提供分類の再構築は、情報の収集、再分類・整理、編集といった新たな作業を必要とし、サイト構築、管理上の負担も増大すると思われます。札幌のような大都市の場合、行政情報も膨大なだけに、この作業は相当な労力が必要でしょうが、住民が「知りたい情報」をいかに体系化し、的確に提供していくかを考える上で、注目すべき試みといえそうです。
一方、住民と向き合った情報提供で、もうひとつ忘れてならないのが、行政の側が「知らせたい」あるいは「知らせねばならない」情報です。最近は町村ホームページでも、政策、施策等の「説明情報」などが増えてきていますが、一部に、一般住民にはなかなか理解できない「役所言葉」ばかりの「役所文書」をそのまま掲載、積極的な情報公開というよりは、「公開した」という免罪符的な情報掲載をしているサイトに出会うことが少なくありません。また、せっかく新しい情報を提供しているのに、その情報がアップされたことがトップページ等で分からず、結局はあまり住民の目に触れていない、というケースもあります。
つきつめていくと、自治体ホームページの評価は、その自治体が、自分たちが持つ情報を住民に最大限提供し、それを真に理解してもらおうと、本気で考えているかどうか、その1点で決まるような気がします。
(2001/05/28) |