究極?の「北海道サイト」
北海道庁が運営する「北海道ポータルサイト」が開設されています。その名も「北海道人」。サイトの性格について、「北海道人宣言」の中で、「北海道に深く根づいたさまざまな文化、人のくらしや息づかい、産業や仕事のなりたちを掘り起こし、地域コンテンツとして蓄積する。
北海道をめざす多くの人々に、北海道の魅力を余すことなく伝える。
そして、北海道にくらす多くの人々が、地域を再発見し、誇りを胸にすることをめざす…」としています。全文を読むと、ちょっと気恥ずかしくなってしまうほど大上段に構えた宣言文ですが、それだけにサイト構築に向けた意気込みの強さを感じることができます。
特集、コラム、インタビュー企画もスタートしているほか、道内各地の「産地直送のとれたてニュース」を掲載する「みんなのホットニュース」コーナーも試験運用に入っています。これだけでも、きちんと定期更新が続けば、なかなかのサイトになりそうですが、さらに「フィルムコミッション」「北海道遺産」「北海道観光情報」など、複数のジャンルのデータベースから「用途に応じて、さまざまな"北海道の表情"を探すことができる」画像検索サイト「デジタル街道」まであります。
実は、ここまではほんの序の口。最も注目されるのが「さきがけ電子道庁、電子市町村!」で、市町村を選択して引越、誕生、介護などの項目をクリックすると、それぞれの手続き画面にたどり着ける仕立てです。ただ、これはあくまで将来の姿。「現在は情報提供のページがほとんどですが、各自治体の取り組みが進むにつれ…」と断りがあり、本領を発揮できるかは、町村などの対応にかかっています。当の道庁もこれに合わせ「申請書ダウンロードセンター」ページを開設したようですが、受付までは対応しておらず、「電子窓口」とはまだ言えません。
こうして見ると、大きな期待を抱かせる一方で、ちょっと疑問も感じます。町村レベルでは、ホームページすら持っていないところや、サイト管理にしてもたった1人の担当者が四苦八苦しているところが少なくありません。「ポータルサイトを作っても、こちらは電話番号を掲載してもらうのが精一杯。まず個々の町村の電子自治体構築を強力にバックアップしてほしい」。そんな町村職員の声も聞こえてきそうです。
これまでの道庁ホームページは、北海道のポータルサイトを目指していたのではなかったのか、「さきがけ電子道庁、電子市町村!」は道庁ホームページにこそふさわしいのではないか、また、先に立ち上げた「北海道観光総合データファイル」サイトなどとはどう連携していくのか…。今回の新設サイトを含め、道関係サイトはそれぞれの位置付け、役割をもっと明確にする必要があるような気がします。
ポータルサイトは、利用者の認知があってこそポータルサイトです。その認知には、それなりの時間もかかるでしょうし、相応のコンテンツの蓄積も必要です。宣言文にあるような、究極とも言える「北海道サイト」を、ぜひ実現してほしいものです。
(2001/11/02)
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