市町村合併最前線

 2. 市町村合併のデメリットは?

 市町村合併のメリットは多々挙げられていますが、それではデメリットとしてどんなことがあるのでしょうか。
 山形県の県民意識調査では、合併不要の理由として最も多かったのが「行政区域が広くなり、きめ細かい行政サービスが受けられなくなる」。次いで「地域の個性が失われ、連帯感が薄れる」「中心部と周辺部で地域間格差が生じる」の順でした。

 また、岩手県立大の広域行政研究会が首長、議会議長を対象に行ったアンケート調査では、「きめ細かな行政サービスができなくなる」「地域の個性がなくなる」などの反対理由とともに「隣接市町村に不信感がある」「議員数が減る」といった本音ものぞかせました。
 鹿児島県が首長を対象にした調査では、合併を含めた広域行政を進める上での阻害要因として「地域の機運の未醸成や住民意向」「住民意見の反映や行政サービス低下への懸念」「地理的・地形的条件」「市町村間のサービス、財政状況等の格差」などが挙げられています。

 市町村合併はまるで「障害物競走」のようですが、行政の効率化・住民サービスの充実を考えるとき、合併がもたらすメリットは小さくありません。問題は、住民自身が考え、障害を一つ一つ克服していく知恵を寄せ集めることができるかどうかにかかっています。合併をめぐる議論は、地方自治そのものを問う議論でもあるのです。

法定の合併協議会の設置状況一覧(2000年9月20日現在)