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市町村合併最前線 5.合併推進は中央集権の強化策?! 一般に合併必要論の論拠として、交通環境の整備などによって住民の生活圏が行政の線引きとは無関係に広がり、これに対応したまちづくりが必要になってきたことが挙げられます。また、住民の生活と密着した市町村の行政サービスのレベルを維持・向上するため行政の組織体制をより効率化する必要性もあります。人口の少子高齢化や自治体財政の逼迫といった背景もあります。 最近、東北のある町長が議会答弁で「広域合併は国に金がなくなったためで、地方分権の推進が理由ではない。逆に市町村の数を減らすことで中央集権の強化、都市中心の政策を狙ったものだ」と発言し、物議をかもしました。しかし、市町村合併と地方分権が密接に関連していることを考えれば、合併そのものが目的ではなく、それぞれの地域住民が自分たちの住むまちの未来をどう描いていくかという、地方自治の根元に触れる問題にたどり着きます。町長の発言は、中央と地方、都市と地方の関係を改めて問いかけているのだと思います。 ここは、深刻な財政難から抜け出すための「生き残り策」として合併を考えるのではなく、行政の都合よりも住民本位の視点から、近隣住民との連携をまちづくりの選択肢の一つとして考えていくべきでしょう。そのためには、行政や住民自らが論議の場を広げ、判断材料を出し合うことが必要です。特に、行政に対しては、デメリット情報も含めて情報の積極的な開示・提供が求められています。 合併特例債など財政措置の試算例 道央の3町合併(人口規模約3万5千人)の場合 注:合併特例債の試算は自治省のホームページでできます |
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