来るか 地域主権時代〜藤沢町に見た住民自治の姿【2.コミュニティの特徴-1】地域メディア研究所代表 梶田博昭 |
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2002/09/17 |
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住民自治活動の基本単位は、44の自治会組織で、1自治会当たりにすると平均約70世帯240人で構成されています。1955(昭和30)年の4町村合併当時から続いた行政区を見直す形で、70年代に8年がかりで自治会組織が整備されました。
■日常的に情報を共有、全体優先役員は互選で無報酬のボランティア。加入率百%。「地域が責任を持って地域を創り、経営する」ことを柱に、福祉・保健予防、環境、教育、防犯など広汎な活動を展開するとともに、「地域ミニ計画」づくりを通じて、自治会のアイデアや要望を行政に反映しています。行政区長のほか民生委員、児童委員や各種公的機関・団体の評議員らを推薦することで、地域の声を生かす仕組みにもなっています。また、自治会活動は、行政とのパイプ役として配置された地域分担の職員と協力し合って、進められています。 最も注目されるのは、これらの制度やシステムが、形式的に住民参加の機会を与えているのではなく、参加する住民が自治会の限られた一部の人間にとどまっているわけではない点にあります。地域・暮らしを取り巻く情報(変化)は、住民の間でごく日常的に共有され(知り・感じて)、問題や課題は小さな芽のうちに解決の方策が論議(取り沙汰)される。しかも、考え・行動する際の視点は、個人よりもコミュニティ(自治会)、さらには町全体に向けられ、まちづくりのより良い方向を見出す、ということが、ごく自然に行われているのです。 自治会・町内会をめぐる今日的な状況は、「無関心と連帯感の薄れ」「加入率の減少と役員の高齢化・なり手不足」「ごみ・ペット・迷惑施設騒動」「行政頼みと地域エゴ」といった現象に表れています。そんな状況と対比すると、藤沢は「謎の町」なのですが、その疑問は次のような特徴を整理することで、読み解くことができるのではないでしょうか。
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