行政評価システム事例検証・群馬県太田市(2)

2000/12/08

 

課題は「アウトカム思考」の定着

 太田市の行政評価システムの特徴の一つは、評価表が非常に分かりやすく作られていることです。A4サイズの表1枚だけで、その政策課題に関するまちの現状と課題、具体的な取り組みがおおよそわかる仕組みになっています。

 ■住民に分かりやすい評価表

   住民アンケートの結果はビジュアルに表現し、コストや各種の統計数値も盛り込まれています。評価表はホームページ上でも公開されており、一般の住民が目を通しても理解しやすいように工夫されています。評価表は、行政のアカウンタビリティの面で、行政評価が有効なことを、よく示しています。
  「交通安全対策の推進」について生活部交通政策課が作成した評価表をみますと、この政策課題に対する住民アンケートで示された評価は、「満足度」が29項目中の27番目、「重要度」は6番目となっています。この数字からも交通安全対策の推進が優先度の高い課題であることが分かります。

 ■政策目標を鮮明にする

 また、事故の発生状況や自転車の放置、危険個所対策の必要性なども見えてきますが、7項目目にある「成果目標」の設定は「成果主義」の観点からはやや分かりにくくなっています。成果指標として掲げられている「シートベルト着用率」「反射鏡の設置数」「安全教室の高齢者参加数」などいずれも、「交通事故を減らす」という目標に対してはアウトプット指標にとどまっていることも、その一因でしょう。
  たとえば、高齢者の交通被害の減少に重点を置くとすれば、高齢者の被害率は既存データでも入手可能ですし、カーブでの事故抑止であれば、警察の事故データを活用できるはずです。「交通事故の犠牲者を一人でも減らすんだ」という目標を鮮明にすれば、その目標に対する到達度を示す、より客観的で明瞭なアウトカム指標に絞り込むこともできると思います。
  「何をしたか」よりも「それでどうなったか」、アウトプットにとどまらずアウトカムを重視する「成果主義」の徹底が、課題といえるでしょう。

 

| TOP | BACK | NEXT |