パブリックコメント活用法(1)

2001/05/14

 

民意に耳傾け、政策づくりに反映

 神奈川県横須賀市では、ごみリサイクルの推進を目的に2001年度からごみの収集方法を変更するに際して、広く市民の声を聞くことにしました。4から7区分に分別収集することを柱にした改正案を、広報誌はじめパンフレット、コミュニティFM放送、インターネットのホームページを通じてPRするとともに、25日間にわたって意見募集したのです。

 ■メディア活用、多様な意見

  この結果、郵便やファクス、Eメールなどで82件に上る市民の意見が寄せられました。下の表は、分別について回答の一部を抜粋したものです。単純に「イエス・ノー」の択一になる投票・採決や、大きなくくりで市民の声を色分けするアンケート調査と違い、実にさまざまな意見があることが分かります。
  また、少数意見ではありますが、外国人向けのPRや分別の例示ガイド作成、スーパー袋の活用など、主婦ら生活者の視点からの提言、アイデアも目に付きます。これらの意見は、審議会などで貴重な検討材料とされ、市の見解とともに広報誌、ホームページなどでも公開されました。

 ■横須賀市は条例化目指す

  このように、政策の立案・決定の過程で、政策のあり方や政策案に対する意見を広く募集し、その意見を考慮して政策づくりを進める手法が「パブリックコメント」と呼ばれます。政府は、99年度からこの方式を本格導入し、地方分権の流れの中で、住民参加型の行政を目指す地方自治体でもパブリックコメント方式を導入する動きが広がりつつあります。
  福井県民パブリック・コメント制度、滋賀県民政策コメント制度が先鞭を付け、北海道、岩手など府県レベルでの活用が進んでいます。市町村では大分市、高浜市(愛知県)などが先行し、ここで紹介した横須賀市では、2002年の施行を目指して「市民パブリック・コメント手続条例(仮称)」案の策定作業を進めています。要綱などにとどまらない条例化は他に例のない取り組みで、条例づくり自体にもパブリック・コメントが活用されるそうです。

 

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