市町村合併を考える8-1

2001/4/23

 

合併論議をどう進めるか(1)

カギ握る首長のリーダーシップ

 合併特例法が期限切れとなる2005年3月まで残すところ4年となって、市町村合併の動きが慌ただしくなってきました。これまでの例を見ると、合併の「縁談」が持ち上がって、ゴールインするまで最低3年は必要といわれています。総務省の「新指針」による特例追加措置や都道府県の支援策が強化されたこともあって、向こう1、2年にわたって「駆け込み」的な動きが増えそうな気配です。

■住民発議3分の2が門前払い

  この1年間を見ても、下の表のように12地域、51市町村で法定の合併協議会が設置され、3地域6市町が合併に至っています。合併協設置の12地域の内訳は、住民の請求、署名による住民発議と、住民発議によらないものが相半ばしています。住民発議があっても、首長や議会によって門前払いにされるケースが約3分の2を占めており、発議によらずに合併協を設置するケースの方が歩留まりがいいようです。  合併論議のきっかけをパターン化してみると、次のように大別できます。  (1)署名による住民主導型  (2)首長のリーダーシップ型  (3)議員の連携型  (4)広域行政からの発展型  (5)都道府県による指導型

■議員間の研究活動も活発化

  住民指主型は、住民発議に至る一般的なパターンで、青年会議所など商工団体が旗振り役となるケースが目立ちます。  最も牽引力が強いのが首長のリーダーシップ型で、この4月に誕生した茨城県の潮来市や東京都の西東京市の場合は、首長が選挙で合併を公約して当選を果たしています。また、最近は近隣自治体の議会議員が研究会を組織したり、首長、職員を交えた研究活動も盛んになってきています。  介護や医療、ごみ処理などの広域連合、一部事務組合をベースにした合併論議は、広域行政の活動が活発な山梨、長野、三重、長崎県などに目立っています。5月に誕生する「さいたま市」は、埼玉県の全市町村が参加した「彩の国人づくり広域連合」が背景となっており、(4)と(5)の合体パターンといって良いでしょう。

 

 

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