市町村合併を考える8-2 |
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2001/4/23 |
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合併論議をどう進めるか(2)問われる情報提供と住民参加市町村合併は地域にとって唯一の生き残り策とは限らないが、少子高齢化と地方財政の逼迫、自主自律を基本とした地方分権の流れの中で、まちの方向性を明らかにすることを避けて通ることはできません。合併を一つの選択肢として、まちの将来像を具体的にイメージすることは、とても重要なことだと思います。 ■「駆け込み」に危うさ北海道においても自治体内部で合併問題をきちんと検証して置こうという動きが目に付いてきました。それはそれで良いことではありますが、住民を巻き込んだ議論には至らず、どちらかというと行政機関内部の予防措置的な色合いも見え隠れしているようです。全国的に増えつつある合併の是非をめぐる住民意識調査も、住民に対する情報提供が必ずしも十分とは思えません。 特に、このところ目立つ合併特例法のタイムリミットをにらんだ「駆け込み」的な動きは、まず「合併ありき」のきらいが強く、住民のコンセンサスがきちんと形成されるのか、心配になります。 ■現実見直し、将来見据える今年1月に西東京市となった田無、保谷両市の場合は、保谷市長が合併を公約に当選してから7年を要しました。「首長主導型」でありながらこんなにも時間を費やしたのは、徹底した情報提供と、これによる住民参加に十分すぎるほどの時間とエネルギーを注いだからです。住民を巻き込んでの合併論議は、実は合併というよりも自分たちのまちを見直し、新たな方向を探る作業でした。そうした議論の中から子育て支援センターやシルバー人材登録制度、循環コミュニティバスといった住民の知恵がわき出てきたのです。 上の表は、やはり首長主導型で進行し、この5月に潮来市となる茨城県潮来町と牛堀町の合併論議の経過です。丸4年かけた論議の過程では、広報を通じた情報提供を踏まえ、住民の意向調査と住民懇談会が開催されました。 合併論議はマチの現実を見つめ、将来を見据えることにほかならず、住民参加によるまちづくりそのものといえます。情報を公開・提供し、共通の土俵の上で行政と住民、議会がきちんとした論議を交わせるのか、住民自治の基本が問われているのです。
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