続・市町村合併を考える3-1

駆け足合併〜大船渡市と三陸町の場合(1)

2001/09/03

 首長主導で急加速する合併論議

 合併特例法の期限が切れる2005年3月までのゴールインを視野に、市町村合併をめぐる動きが全国で活発化しています。総務省のまとめでは、6月末時点で合同の研究会や勉強会を持っている自治体は、180地域904市町村に上っています。

 ■「合併予備軍」は39%に拡大

 一方、法定協議会の設置は25地域93市町村、任意協議会は36地域175市町村に上ります。これらを総計した「合併予備軍」は1247市町村で、全市町村(3224)の38.7%に達しました。この7、8月に法定の合併協議会を設置した5地域を見ますと、住民発議によるものは姿を消し、わずか1年ほどの間に合同研究会や任意協議会から移行した「首長主導・スピード合意型」が目立っていることが分かります。

  ことし1月に西東京市となった田無・保谷両市の場合は、市長が合併に積極姿勢を示してから任意協設置まで約7年、任意協から法定協まで約1年半、さらに合併施行まで1年2か月を要しました。新潟市に編入合併となった黒埼町の場合は、任意協から合併施行まで5年以上かかりました。

  合併促進のために国や都道府県の支援措置が次々と強化されていることが背景にあるとはいえ、かなりのスピードぶりであることがうかがえます。また、特例措置を当て込んでの「駆け込み」的な側面も否定できず、今後も同様な傾向が続きそうな気配です。

  表にある岩手県の大船渡市と三陸町の場合は、市長の合併方針表明が昨年11月で、今年6月には任意合併協を設置、7月には法定協に移行し、この8月31日に合併協定に調印、11月15日の合併施行と駆け足で合併準備が進行しています。恐らく「最速のゴールイン記録」となるでしょう。

合併協議会参加自治体 都道府県 主な動き 合併時期
 ●2001年設置
内海・土庄・池田町(4月) 茨城県 住民発議、2002年中に結論 協議中
朝霞市・志木市・和光市・新座市(4月) 茨城県  住民発議  協議中
江田島・能美・沖美・大柿町(4月) 岡山県 4町長合意 協議中
上五島・有川・新魚目若松・
奈良尾町(4月)
長崎県 2000年8月任意協議会設置 協議中
取手市・藤代町(4月) 茨城県 96年11月任意協議会設置 協議中
東野・木江・大崎町(7月) 広島県 2000年11月研究協議会設置 2003年春目標
福江市・奈留・岐宿町三井楽・
玉之浦・富江町町(7月)
長崎県 2000年8月研究会設置
住民アンケート実施
協議中
大船渡市・三陸町(7月) 栃木県 2001年6月任意合併協設置 協議中
高富・美山町・伊自良村(8月) 岐阜県 2001年2月首長らで研究会 協議中
勝本・郷ノ浦・芦辺・石田町(8月) 長崎県 99年8月研究会設置 協議中
 

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