212の21世紀〜マチは変われるか
第2部・評価編 8.マイルストーン 従来型の評価はいわば「手続き重視主義」で、行政が法令や定められた手順に沿って適正に執行されているかを重視します。従ってその評価は、計画通りに人材や予算が投入されたか、規則や方針に従っているかが目安となるわけです。このため行政内部の問題とされがちで、議会向けの対応にとどまりがちな傾向を見せます。 「成果主義」に基づく行政評価では、「何をしたか、どのくらいしたか」よりも、結果としての住民の満足度が最大の目安ですから、住民の意思やニーズを重視した取り組みが前提となります。 自治体の財政難が背景にあり、住民の側も支払う税金に見合った価値の行政サービスを求める動きが強まっていた時期でした。それだけに、行政評価システムの導入を機に住民参画の機運も高まっていったのです。 ミネソタ州では九一年から「ミネソタ・マイルストーン(里程標)」と呼ばれるベンチマーク方式の行政評価を導入しました。計画の策定には多くの住民が直接参加し、集会参加や投書などなんらかの形で参画した住民は小学生から九十二歳のお年寄りまで約一万人にも達したそうです。 この結果「思いやりのある地域」「富と生活水準の向上をもたらす経済活動」「創造的で国際競争力のある技術」「自然を守り楽しむ」「責任と実効性のある市民本位の自治」という五つの目標を掲げました。
これらの情報提供は、「住民が聞きに来たら教える」という日本型の情報公開とは大きな差異があるようです。「できるだけ住民の元にまで届ける」という発想から、新聞などのマスコミだけでなく、インターネットやCATV(ケーブルテレビジョン)、広報紙が最大限に活用されています。オレゴン州のプログレスボード(評議委員会)のホームページでは、日本語による情報提供さえ行われています。 |
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