212の21世紀〜マチは変われるか 第2部・評価編 9.ローカルスタンダード 行政評価という言葉自体きちんと定義付けされておらず、「行政を不断に見直す」という広い概念に立てば、当然のように続けられてきたことですが、最近の流れは行政改革の一貫として、評価と成果をできるだけ直結させると同時に、制度として体系化・システム化しようというのがトレンドのようです。 また道が九七年度に導入した「時のアセスメント」は、「時」というものさしを使って行政を再評価する手法が注目されています。九九年度からは施策・事業全般に広げた「政策アセスメント」もスタートしています。 このほか静岡県の「業務棚卸表」(九七年度)岩手県の「県政評価システム」(九九年度)など都道府県レベルでの動きが活発となっています。東京都も米国流ベンチマーク方式を取り入れた「東京チェックアウトリスト」(九九年度)をまとめ、本格的な行政評価導入に動いています。 市町村レベルでも、札幌市や滋賀県長浜市などが「事業評価システム」導入の動きを見せています。また、大分県臼杵市はバランスシートの採用に続いて、事業の種別ごとにコストを算定するサービス形成勘定を導入するなど企業会計方式にならった新たな取り組みを進めています。 都道府県、指定都市とも残りのほとんどが「検討中」としているのに対して、市区町村はわずか二八%の低率にとどまっています。 小さなまちから率先して行政評価の導入に取り組み、これらの積み重ねの中からより優れた行政評価システムが育っていくのではないかと思います。行政評価の基本的な考え方など先進事例は大いに学ぶべきですが、住民の満足度に視点を置いた住民本位の行政は、いってみれば「ローカルスタンダード」を住民自身の手で築き上げることにほかなりません。 |
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