212の21世紀〜マチは変われるか
第2部・評価編 12.「分権元年」試されるコミュニティ 分権の流れにあって、住民の満足度を指標とした成果主義に基づく行政評価は、住民本位の行政を目指している点、また住民の参画を広げていく点で、本来の地方自治を実現する上で大きな意義があると思います。 北海道についていえば、まだ中央依存の体質は抜けきらず、「横並び指向」もうかがえます。しかし、一方では札幌市の「事業評価システム」の導入や道の「時のアセスメント」といった動きも出てきました。小さな町村の中にも「自主自律」の胎動が見られます。 地方交付税の現行のシステムでは、自治体が財源の効率的な活用を行い、地域の活性化を進めるほど、交付税が減額されるという現象も起きてきます。また道内の自治体に多く見られるような財政基盤の弱いまちでは、どうしても交付税に依存しがちで、インセンティブ(改善意欲)が働かない、といった問題も生じさせます。 この問題は、税体制に関わる国の大きな政策課題として早期の方向付けが求められているのです。 負債(地方債など)が増える一方で資産の効率的な活用が求められる現在、民間企業と同じように発生主義に基づく複式会計が必要になってきているのです。 道内では札幌市や後志管内蘭越町などがバランスシート導入に動いており、大分県の臼杵市はバランスシートに続いて九九年度からサービス形成勘定を採用し、行政サービスのコストを住民に示すことで行政の透明性と住民参画を進めています。こうした積極的な取り組みが道内の自治体にも求められています。 この四月からは地方分権一括法が施行され、「地方分権の試金石」介護保険制度もスタートします。二〇〇〇年はいわば「分権推進元年」で、その実を挙げることができるかどうか、二百十二のまちそれぞれが試されることになります。 (第2部・評価編 了) |
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