行政評価システム事例検証・しがベンチマーク(2)

2000/12/15

 

協働社会の土台づくり目指す

 達成度のミシュランマークは、目標に対して現在どの程度まで到達しているか、全国順位を加味して星の数で表しています。下の一覧表のように、★1つは到達率が0〜29%、最高の五つ星は90%以上を目安に、全国順位が下位になるほど★が減るといった具合です。

 ■計画と連動した目標設定

 目標値は、それぞれの指標によって設定の仕方が異なりますが、県が策定した各種の計画の中で定めた数値がある場合は、これが基準になります。計画に設定されていない場合は、全国平均などが目安になっています。
  たとえば、全国47都道府県中40位と低位にある「人口1万人当たりの献血量」の場合は、血液の国内自給を前提に、県の人口比から国全体の必要量の1%確保を目指し、339リットルというかなり高い設定になっています。目標年次は、県の長期構想に合わせて平成22年度を原則としています。
  「しがベンチマーク」の特徴の一つは、行政の透明性を高めると同時に、行政と県民生活との現状と目標について共通認識を高めることで、行政と住民、地域団体やNPO、企業などとの協働による取り組みを推進しようという点にあります。まだ、この試みは緒に付いたばかりですが、市町村行政に比べてやや距離感があった県政を、県民の身近な存在として感じさせる第一歩としての成果は上げているようです。

 ■課題は地域スタンダード

 いくつかの課題を挙げるとすれば、まず第1に、行政評価のシステムづくりや指標選定などの段階から県民参加をより積極的に進めることが必要でしょう。市町村に比べて県民意識を明確にとらえることはなかなか難しいことですが、モニター制度の充実やできるだけ幅広い分野の県民の意見を聴く場の設定など、工夫が求められます。
  第2に指標の選定については、引き続き試行錯誤が続くでしょうが、県民の満足度を直接的に把握できるようなアウトカムデータを常に追求することが必要です。
  第3に、目標の設定については、他府県との対比に基づく検討も必要ですが、「滋賀県スタンダード」をどこに求めるかも重要です。そうした意味では、情報共有を前提に、より多くの県民を巻き込んだ政策論議を深めることが求められているともいえます。

 

 

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