212の21世紀〜マチは変われるか
第1部・財政編
道営のホッカイドウ競馬が経営不振にあえぎ、存続論議にまで発展しましたが、これも道の特別会計の一つです。かつては黒字経営が続き、利益が道の財政に貢献した時期もありましたが、今は「持ち出し」による赤字の穴埋めが話題になっているというわけです。 繰出金は、「補助金」「負担金」「出資金」「貸付金」など様々な名称が付けられています。しかし、いずれにしても一般会計からの持ち出しにほかなりません。公営企業では赤字補填や運転資金の財源として支出されることもあります。 道内二百十二市町村の九七年度決算では、総額約三千七十一億円が繰り出されており、国保、病院、下水道、老人保健医療などの占めるウエートが高くなっています。国保については、医療費の増加や保険料の滞納などの問題も絡んで、市町村の国保会計は慢性的に悪化しています。 【繰出金比率ランキング】
これらの公営事業は住民生活に直結した事業が多く「より高度なサービスをより小さなコストで提供する」という、難しい課題を抱えています。逆に非効率な事業運営や不健全な財政は、そのままサービスの低下や料金アップといった形で住民にツケが回ってくることに注意しなければなりません。 過疎が進む町村は財政基盤自体の弱さが問題ですが、基盤がしっかりしているはずの都市部では、特別会計事業の赤字や一般会計からの多額の繰出といった不安要素を抱えているのです。しかも、これらの事業の多くは途中で投げ出したり、一気に問題解決を図ることが難しいだけに、深刻です。 また、公営事業では企業経営的な感覚も求められますが、現実には役所的な感覚や構造的な問題が放置されているケースもあり、情報公開と住民によるチェックが重要な課題です。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||