212の21世紀〜
第1部・財政編 はじめに 国の台所は火の車だが、地方財政もまた、崖っぷちに立たされている。東京都や大阪府が「財政非常事態宣言」を発したのが1999年。不景気による税収ダウンが、特に都道府県の財政を逼迫させているが、住民にとってはより身近な市町村の方がむしろ深刻な状況に置かれている。 介護保険に代表されるように市町村レベルの行政は、住民の生活に密着している。「民主主義の学校」とも呼ばれた地方自治の原点である市町村の財政危機は、そのまま私たちの生活にはね返ってくる。現に苦し紛れの住民サービスの切り捨て・切り詰めや公共料金の値上げ、公務員の削減など表面化してきている。 これは市町村にも「勝ち組」と「負け組」が、はっきりする時代が近付いていることを意味している。なによりもマチの舵取り役である市町村長と、これをチェックすべき議会に大きな責務があるが、今はもう、それだけに任せていて良い時期は過ぎている。私たち住民が住むべきマチを選ぶか、それとも私たち自身の手で危機的な状況を切り開いていくしかない。 まず第一に目を向けなければならないのは、私たちが住むマチが今どんな状況に置かれているかを知ることにある。無限の可能性を秘めながら、不況のどん底にある北海道をテストデータとして、迫り来る「自治体破産時代」を検証した。 【 目 次 】
財政関連データは、原則として1997年度の市町村決算に基づいています。ランキングデータは、地域メディア研究所の提供です。 参考文献 「平成9年度市町村別決算状況調」(財団法人・地方財務協会) |
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