212の21世紀〜マチは変われるか
第1部・財政編 5.自治体破産〜格付け機関 格付けといえば、債券の元利金支払いの確実性の度合を記号で示した「債券格付け」が知られています。投資家に向けた情報の一つで、ムーディーズやS&Bなどアメリカの格付け機関が良く知られ、金融ビッグバンの到来とともに日本でも普及しつつあります。 【R&Iによる地方債格付け一覧(99年10月末)】
道、札幌市とも九九年十一月末時点で最高位の「AAA」に次ぐ「AA」と評価されています(厳密には札幌市はより上位に近いという意味の「+」、道は下位に近い「−」がそれぞれ付いています)。「AA」は「債務履行の確実性は極めて高く、優れた要素がある」とかなり高い評価ですが、道、札幌市に限らず税収の落ち込みが著しい都道府県、政令指定都市の評価は、ここにきて厳しくなる傾向にあるようです。 地方債の格付けは、自治体の借金返済能力、言葉を代えると信用力をランク付けしていることにほかなりません。金融機関の格付けは、銀行倒産が現実のものとなってきたからこそ注目を浴びたわけですが、自治体についても「不倒神話」に陰りが見えてきたことを示しているともいえます。 現実には自治体の倒産は法律上あり得ませんが、地方債の格付けは少なくとも、金融機関が資金の提供先として自治体の選別を始めようとしていることを示しています。 格付け評価では、「B」が「債務履行の確実性に問題があり、絶えず中止すべき要素がある」、最低位の「C」が「債務不履行に陥っているか、またはその懸念が極めて強い」と定義されています。 |
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