212の21世紀〜マチは変われるか
第1部・財政編 4.破産〜バブルのつけ 北海道の場合は、九七年度中に二百十二市町村で合わせて約四千五百億円の地方債を発行しましたが、このほぼ半分強の約二千三百六十億円が政府資金で、市中銀行、保険会社など民間資金は千六百億円以上にもなります。借りる際にはやはり借用証書を書くのが一般的です。 利率はかつて八%前後の水準にありましたが、バブル経済の崩壊後はどんどん下がり、ここ数年は二%前後にとどまっています。問題は、バブル期の高利率の時に借りた借金です。この時期は市町村が競って「箱物」と呼ばれる大型のスポーツ、文化センターや物産館などの公共施設の建設に力を入れた時期でもあり、三〜五年の据え置き期間を過ぎて償還の時期に入ってきたからです。 借金の構造はサラリーマン世帯の住宅ローンと大差ありませんが、なにしろ借金のけたが大きいから利息はばかになりません。税収も落ち込んできてますから、まだローンが残っているのにリストラでボーナスが大きく減ったサラリーマンの状況と良く似ています。住宅ローンの場合は、金利が下がっている状況に合わせて「借り換え」という方法もありますが、自治体の借金はなかなかそううまく行きません。 【88年度以降の地方債現在高の借入先別推移(単位=億円)】 上のグラフは、九七年度までの過去十年間にわたる道内二百十二市町村の地方債現在高の推移を示しています。特に、九四年度あたりから八%から一〇%近い増加率で増え続けています。総額では、この間に一・八倍にもなっていることがわかります。 |
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